包む文化と風呂敷
外国で買い物をすると、包んでくれないのでびっくりすることがあります。
外国では当たり前のことです。近年日本では、エコブームで過剰包装が敬遠され、お歳暮など
簡易包装が主流になっていますが、包みを開けるときのワクワク感や
期待感がないさみしさもあります。物を大切に思うことと、気持ちを贈ること、相手を思いやること、
それら思いが包む文化となり受け継がれているのでしょう。その文化の中心ともいえるのが風呂敷です。
中身を包みお持ちする奥ゆかしさは、礼儀を重んじる日本ならではのものです。風呂敷が日本の伝統として現在に至るのも、一枚の布を自由自在に扱うことができる
手先の器用な日本人だからこそでしょう。現代の若者の中での風呂敷のブームはエコブームだけではありません。
包む美しさと無限の想像力があるからです。広げると四角い一枚の布が華麗に変身を遂げる姿に魅了されるのです。
そこには新しい包む文化が受け継がれようとしています。